2012年 春、例年とは少し違ったかたちで中禅寺湖が釣りの季節を迎えました。未だかつて誰も経験したことの無い大きな問題に対して、今は何もかもが手探りの状態。色々な立場の人たちの意見を集め 試行錯誤を繰り返しながら、この湖での釣りが少しでも良い方向に進んで行ってくれる事を切に願います。
今シーズンの中禅寺湖は国道側でのみ岸釣りの遊漁が認められました。これまで山側での釣りを楽しむ機会の多かった私にとって、国道側はどこも馴染みの薄いポイントばかり。そんな私でも知っているような大場所のポイントは当然の如く朝一から満員御礼といった状態。とりあえずは入れそうなポイントを探してしばらく歩き回る事にしました。
今年は夏の電力不足に備えて?いるのか、例年のこの時期としては有り得ないほどに湖は超満水状態でした。このため ただでさえ遠浅の地形の多い国道側のポイントは何処も湖岸線が大きく後退してしまっており、探りたいブレイクラインは手の届かない遥か沖の方へと行ってしまいました。 もうここまでくるとほんと魚が岸寄りしてくれる事を祈るしかありません。
この日 まず最初に手に取ったルアーはトラウティンサージャーの6cmでした。例年 4~5月中旬くらいまでのいわゆる解禁初期の時期に、岸寄りしたヒメマスやホンマスを狙うのに私が最も多用しているルアーのひとつになります。 湖の表層水温が4~7℃といったかなりの低温で推移するこの時期、彼ら冷水性の魚たちは(特にヒメマスは)想像を超えるようなド表層を群れで回遊している事が多いようです。しかもこの回遊が岸からのキャスティングで十分狙える範囲内まで近づいて来る事があるというのですから、私のような岸釣り愛好家にとっては、まさに釣り欲が最もかき立てられる季節であります。
am9:00の釣り開始時刻までの間、湖面をしばらく眺めていましたが、魚が岸寄りしているような様子はまったく感じられませんでした。 一抹の不安が残りますが当初の予定通りにトラウティンサージャー6cmを使って、まずは表層付近から探ることにしました。 ルアー着水後は糸ふけを取り、ラインテンションを保ったままカウントを刻みました。トラウティンサージャーはテンションフォールでは小刻みなバイブレーションアクションを続けながら水平姿勢でゆっくりと沈下してゆきます。これがトラウティンサージャーの特徴であり最大の持ち味です! キラキラと明滅しながらゆっくりと沈下してゆくこの姿が、魚たちを強烈に惹きつけるものと思っています。
魚の泳層がまったく分からないため、とりあえずはカウント10からスタートする事にしました。時折このフォールの際にもバイトしてくることがあるため、念のためラインの動きにも気を配りました。 カウントダウンで必要な数を数えたら、次はリーリングをスタート。巻きスピードは状況により色々と変えるようにしていますが、とりあえずは私の中でのスタンダードである、およそ1回転/2秒(2500番ノーマルギアのスピニングリールを使用)の巻きスピードから始めることにしました。 極力一定の巻きスピードで10回ハンドルを回したら、リーリングする手を止めテンションフォールでカウント3~5を刻みました(これで1セット)。 この後は再びハンドルを10回巻いた後にカウント3~5でテンションフォール。その後 また巻いてはフォールの繰り返しで、ルアーが竿先の視界に入ってくるまで丁寧にやり切るようにしました。 ですが今回入ったような遠浅の地形では、上記の操作を手前までしっかり行ってしまうと、ルアーが手前の岩などの間に挟まってしまい まさかの根掛かり!なんて事にもなり兼ねませんので地形によっては手前は捨てるなどの状況判断が必要となってきます。 決して安くはないルアー、しかもそれが大変思い入れのあるルアーであったりしたら、ロストのショックはきっと計り知れないものになるでしょう。愛してやまないフィールドを汚さないという観点からもあまり無理な探り方はしない方がよいと思います。
釣り開始からおよそ1時間が経過しました。途中 (おやっ!?)と思わせるような違和感を感じた場面もありましたが、突然のことで体が反応出来ずに結局フッキングまで持ち込む事は出来ませんでした。 ここで向かい風が若干強くなってきた事と、ルアーのアピール度を増したいという思いから、トラウティンサージャーを 6cmから8cmへとサイズアップを試みました。 たまたまいいタイミングで魚が廻って来ただけなのかも知れませんが、この後 ルアーのサイズアップが奏功する形で短時間のうちに複数匹の魚を手にする事が出来ました。
どんな状況にあろうともこんな美しい魚たちを育む中禅寺湖はやはり素晴らしい! 今回の釣行を通してこのことを改めて実感しました。
今回の芦ノ湖。朝一は予想を遥かに越える暴風雨に、一瞬車から出るのも躊躇われる程でしたが、(こういった天気の日にいいブラウンが釣れるんだよね!)と自身を奮い立たせてポイントへと向かいました。
期待通りに直ぐに魚からの反応がやって来ましたが、魚種もサイズも異なり後が続きません。そしてあっという間にブラウン狙いには厳しい時間帯へと突入。雨風も止んでしまった為、レインボー狙いへとルアーをチェンジしました。ほんとこういう時にリップレスミノーの表層タダ巻きが効くんです! 特大サイズとちょっと大き目サイズの2匹のレインボーが直ぐに顔を出してくれました! 午後はササキさん、韋駄天さん達と合流して東岸を探りました(御二人共に午前中に魚との熱いドラマがあったそうです!)。そしてこれからまさにプライムタイム突入という時に、韋駄天さんとササキさんが共同作業でナイスサイズのレインボートラウトを見事キャッチ!俄然私もやる気がアップしました! そしてラスト30分はとても熱かったですね! (いまアタった!) (あ~ またアタった!!)などなど 暗がりの中 あ~(>_<) だの、う~(>_<) だの 男達の艶めかしく悶え苦しむ声が湖面に響き渡っておりました(笑) 大型の良型ブラウン、絶対釣れると思ったんですが次回に持ち越しです! ササキさん、韋駄天さん今回はありがとうございました。 次回また宜しくお願い致します(*'▽')/
(上写真)朝一はもの凄い暴風雨でした
(上写真)この日のファーストフィッシュ
(上写真)日中の表層水温は9.5℃
(上写真)芦ノ湖のレインボートラウト(73cm)。チェリーブラッドLL70S の表層タダ巻きにて
(上写真)上の写真と同一個体です。フラッシュを炊くと写真の印象が大きく変わりますね
(上写真)こちらも同じく表層のタダ巻きで
(上写真)チェリーブラッドLL70S #03(TSカラー)
エメラルドグリーンの湖水の奥深くから、突如 黄色い影が浮かび上がってくるあの光景、あの緊張感、そして最後に訪れるあの敗北感(またフラれたぁ~) 今回は備忘録として2014年6月の中禅寺湖での蝉の釣りについて振り返ってみました。
春先に関東地方を襲った季節外れの大雪に代表されるように、2014年の前半はとても不安定な天候が続いたという印象が強く残っています。これは4月、そして5月に入ってからも雨という形でダラダラと続き、中禅寺湖では異常なくらいの水位上昇という形でその影響が現れました。
そして6月、依然として雨に見舞われる日がとても多く、湖の水位はさらに上昇の一途を辿っていました。湖岸線はさらに後退し、この時期のブラウンの良い着き場となっているブレイクラインは射程圏内の遥か向こうといった具合でした。 この降り続く雨は肝心の蝉の活動にも大きな影響を与えたようで、葉の裏をひっくり返せば沢山の蝉が居るのに、一日中その鳴き声を聴く事が出来なかったなんて日も珍しくはありませんでした。 勿論、こんな日は湖面に落ちている蝉などは居ないため、これを狙ったライズなど起こる筈もなく、湖面はいつまで経っても静まり返ったままでした。
でもこんな状況でも蝉を強く待ち望んでいる個体は居るようで、6月初旬の週末、今年も何とか無事に蝉初めを迎える事が出来ました。 この時使用したルアーは美蝉(ビセン)。ハルゼミをモチーフにしたトラウト用のトップウォータープラグで、私は市販の物をフックを交換して使用しています。当日はこの美蝉(ビセン)をロッドティップを高く掲げた状態で小刻みに連続シェイク! それと同時にゆっくりとリーリングも行ってやる事により、水面を羽をバタつかせて移動する溺れた蝉を演出しての釣果でした。
ところがこの積極的な誘いの釣り、昨シーズンはテッパンの誘いであった筈なのですが、どういう訳か今年はなかなか反応が得られませんでした。 水位の上昇による湖岸線の後退、これが魚と人との距離を縮めてしまった事が魚には相当なプレッシャーとなっているのではないだろうか? これは私の勝手な解釈ですが、今シーズンの蝉の釣りを通して常に感じていた事でした。
そんな状況のため、今シーズンはこれまでよりもさらに細心の注意を払って魚へのアプローチを試みました。水辺にはなるべく近づかずに、何をするにも兎に角、静かにそ~っと、そ~っと! そして水辺から僅か3m足らず、小雨がシトシトと降り続けるなか、美蝉(ビセン)のホットケに出てくれたのは良型のブラウントラウトでした。 美蝉が漂う湖水グリーンに突如さす黄色い影! その後激しく割れる水面、手に伝わってくるフッキングの感触! その後の相手との激しいやり取りと、ネットイン後に訪れるこの上ない安堵の感情! これらどのシーンを思い返してみても間違いなく今期5本の指に入るであろうとても印象深い出来事でした。
きっとまた来シーズンは違った顔を見せてくれるであろう中禅寺湖の蝉パターンの釣り。今から来年が待ち遠しくて仕方ありません!
ロッド : TLB-83DT ラグレス・ボロン (SMITH) リール : 10 CERTATE 2500 (DAIWA) ライン : FIRELINE EXT 0.8号(12lb) LO-VIS GREEN (BERKLEY) リーダー: TROUT SHOCK LEADER フロロカーボン 10lb (MORRIS) ルアー : 美蝉(ビセン) (SMITH) ※ フック交換実施。ラインはアイのスプリットリングに直結。 フック : フロント側 シュアーフックWトラウトタテアイ 4B (SMITH) リア側 シュアーフックWトラウトタテアイ 5B (SMITH) ※ バーブは潰してあります ネット : チェリーネット・サツキ (SMITH)
先日、栃木県は塩谷町にある尚仁沢アウトドアフィールドさんに出掛けてきました。あの厳つい顔をしたジャガートラウトとのミノーを使った熱い駆け引きを味わいたくて、またやって来てしまったといった具合です。当日の午前中は未明から降り続く雨の影響からかお客さんが少なく、多くのポイントを自由に探ることが出来ました。
そんな中でも、やはり障害物周りでジャガートラウトの反応が良く、ミノーの釣りの醍醐味であるアクションで誘って食わせる釣りを楽しむことが出来ました。まだ水温が低いためか魚の追いは遅めなので、サスペンドミノーで短い距離をロッドアクションで誘った後は、しっかりと食わせのポーズを入れてやることで深いバイトを得ることが出来ました。 これから春に向け水温が上昇してくると、さらに魚の活性が上がってくるそうなので、その頃にまた訪れたいと思います。 そして話は変わりますが、来たる3月10日(日)に同エリアにおいて今年も恒例の『さくら祭り』が開催されるそうです。タグの付いた魚を集めて合計点数を競い、点数の高い人から豪華賞品が貰えるそうです(詳しくは尚仁沢アウトドアフィールドさんのHPを参照願います)。 ※ 魚の写真は釣り場オーナー様の許可を得て一部撮影させて頂きました ※ 尚仁沢アウトドアフィールドさんのHP : http://www.shojinzawa.com/
使用タックル ロッド : トラウティンスピン インターボロンX IBX-53MTH(SMITH) リール : ツインパワー 1000S(SHIMANO) ライン : アーマード🄬フロロ+ 0.3号 (DUEL) リーダー : シューター・FCスナイパー インビジブル 5lb (SUNLINE) スナップ : SPスナップ #00(SMITH) ルアー : パニッシュ55 SP(SMITH) ※フック変更実施。ウエイト調整のためソリッドリングを使用。 フック : ミノーエキスパートフック ME-31BL #4 (VANFOOK)
(上写真)この日も一匹目からジャガートラウト。パニッシュ55SP(HHGORカラー)にて
(上写真)二匹目もジャガートラウト。パニッシュ55SP(GTOパール)にて
(上写真)色鮮やかなジャガートラウトの♂。パニッシュ55SP(クレイジーヤマメ)にて
(上写真)昨年放流した個体がまだまだ良い仕事をしてくれています
(上写真)この色がほんとたまりません
(上写真)今日一の太い個体です。パニッシュ55SP(クレイジーヤマメ)にて
(上写真)これも昨年放流した個体だそうです。ほんと素晴らしい魚体です
(上写真)今回もやはり障害物周りでの反応が良好でした
(上写真)これまた太くて素晴らしい魚体です。C&Rの賜物!
(上写真)こんな個体が釣れるとほんと嬉しくなってしまいます!
(上写真)いい顔してます!
(上写真)ベリーのフックにガップリ!
(上写真)午後は追いが悪くなりました
(上写真)デニー君が木の枝を持って近づいて来ました♪
(上写真)飼い主さん曰く、遊んでほしいのサインだそうです。可愛い♡
(上写真)3月10日(日)は『さくら祭り』🌸開催🌸
今回は黄色いアイツに会いに、またも中禅寺湖へ出掛けてきました。 恐らく彼らが活動を開始するのは日が昇ってからだろうという判断で、朝の2時間は国道側で過ごしました。朝一といえども表層のミノーイングはさすがに厳しく完全ノーバイト。早々にメタルミノーの釣りに切り替えました。そしてキャストすること数投目、中層付近(10m前後)をイメージしながらトントントン♪ とリズミカルに探っていると...。
何の前触れもなしに突如『ズドン!』(この感触はやはりクセになります) 今シーズンもっとも恰幅の良いレイクトラウトが顔を出してくれました! そしてすっかり日が昇ってしまった午前7時過ぎ。前回会えなかった黄色いアイツを探しに山側のポイントへ向けいざ出発です! やはりこの日も蝉は鳴いていませんでした。ライズも無ければボイルも無し! 目の前に広がる湖面からは生命感はまったく感じられませんでした。 でも俺は騙されないよ! いないフリして、実は居るんでしょ! ひざ下くらいまで軽くウェーディングして、黄色から藻色グリーンに変わる最初のブレイクのちょっと先(立ち位置から10mほど)を狙って美蝉(ビセン)を扇状に何度も放り込みました。着水と同時にロッドティップを使って小刻みに連続シェイク!この日は結構な波があったので、いつもより強めのアピールを心がけました。 思いのほか結果は早く出ました。藻色グリーンの水底から一瞬黄色い影が見えたか?と思った次の瞬間にはすでに水面が割れていました。(よっしゃ!)
でもそんな喜びに浸っている場合ではありません。 (乗った?乗ったか!?) 急ぎリールハンドルを数回巻いてラインテンションを確かめてみると...。 乗ってた~!! その後はほんとあっという間でした。決してすんなり上がって来てくれたという事ではなく、ドラグ音ギーギーの激しいファイト!そして雑技団ばりの全身を水面から出しての横っ飛びジャンプを何度も披露されてしまったため、こちらが呆気にとられてしまったというのが本当のところです(汗) 無事にネットイン出来た時には、もう嬉しくてうれしくて、年甲斐もなく歓喜の雄叫びを上げてしまいましたよ。相手は62cmの雌のブラウントラウト(彼ではなく彼女でした)。今週はニヤニヤが収まりそうにありません(*'▽')/
(上写真)中禅寺湖のレイクトラウト(75cm)。サクラマス用の大きなチェリーネット(Lサイズ)を使用する様になって取り込み時のバラシは激減しました。
(上写真)ズドンっ!!ととても良い出方をしてくれました
(上写真)メタルミノーEX(No.07 グリーンレーザー)
(上写真)彼らに何度も威嚇されました
(上写真)美蝉(ビセン)。ベリー&テイル共に スミス・シュアーフック4Bに換装。ラインは直結で使用しています。
(上写真)小型ですがパコーン!ととても良い出方をしてくれました。美蝉(ビセン)にて。
(上写真)殆どが2~3cmの小型ばかりでしたが、相変わらず多くのワカサギたちの姿を見ることが出来ました
(上写真)中禅寺湖のブラウントラウト(62cm)。美蝉(ビセン)(No.11 ゴーストハルゼミ)にて。
(上写真)ここ数年、綺麗で大きな個体が釣れるようになった事を実感しています。きっかけはともあれC&Rの賜物ですね。
(上写真)中禅寺湖では朱点のないブラウンを多く見掛けます
(上写真)尾鰭も立派です
(上写真)帰りはレモン牛乳で祝杯!
今回は5月初旬の中禅寺湖に出掛けて来ました。情報によると解禁以来好調であったヒメマスやホンマスが未だ釣れ続けているとのこと。しかも今年は例年になくワカサギの数が多いという事で、これを飽食したと思われる体高のあるホンマスが数多く見受けられるとの事でした。もういやがうえにも期待が膨らみます!
今回のような湖での回遊魚狙いの場合、私が真っ先に思い浮かべるルアーはやはりトラウティンサージャー! 中禅寺湖でのヒメマスやホンマス狙いに対しても抜群の実績を誇っているルアーのひとつです。
私が初めてこのルアーを使ったのは、たしか90年代後半の芦ノ湖でした。 当時 使い方がまったく分からなかった私は、こんな引き抵抗もなく真っ直ぐにしか泳がないルアーで 本当に魚が釣れるのか? これがトラウティンサージャーを使っての正直な感想でした。リップ付きのルアーに慣れ親しんでいた私は、そのあまりの引き抵抗の無さに耐えきれず どうしてもキャストし続ける事が出来ませんでした。ですが私のそんは不安をよそに同行したアングラーたちはしっかりと結果を出していました。しかも私の目の前で! そんな状況を目の前で見せ付けられてしまっては認めない訳にも行かず、その後は不安を抱きながらもただひたすらにキャストを続けました。
芦ノ湖のブラウントラウト! これが私がトラウティンサージャーで初めて釣った魚でした。大変に嬉しかった事を今でもよく覚えています。しかし一匹釣り上げたとは言っても、当時の私は未だ不安を拭い去ることは出来ていなかったと思います。 ですがその後、色々な釣り場で何度も何度も繰り返し使い続けてゆくうちに、何時の頃からか釣果も大きくのびるようになっていました。 そして気がついた時にはもう何の躊躇いもなく、釣れるという確信をもってキャストを続けている自分がいました。 そしてあれから10年以上! 人も時代も大きく変わりましたが、トラウティンサージャーは当時のまま未だ変わることなく私に釣果をもたらし続けてくれています。 ほんと頼りになる存在です!
解禁初期~盛期に掛けてのマヅメ時、複数のライズやボイルなどのいわゆる魚の回遊に遭遇する事が多々あります。この日私の入った山側のポイントでは、目に見える明らかな回遊が1回(am6:00前)、そして目には見えないが絶対に何かいると感じたものが1回(am7:30前)、合計2回の回遊に出くわしました。そんな中、最初の回遊で顔を出してくれたのはホンマス(41cm)でした。噂通り引きも強烈で体高のある立派な魚体でした。このホンマス、リーリングの最後のさいご、目の前 数メートルの位置で突如 『ドンッ!』とルアーをひったくって行きました。今更ですが、リーリングは最後まで丁寧にやり切る事が大事だと思い知らされます。
そして続く2回目の回遊、こちらではヒメマス(38cm)が顔を出してくれました。時折 テンションフォールを交えての水面下2~3mレンジの巻きで喰ってきてくれました。ヒメマスは私の大好きな魚。太陽光を浴びて白く光り輝く魚体はいつ見ても本当に美しく最高です!
そして更にもう一匹と、ヒメマス狙いのためトラウティンサージャー 8cmで沖の表層域(感覚的には2~3m)を探っていたところ、突如 ヒメマスのものとは明らかに異なる何者かがロッドを押さえつけました。 相手はレイクトラウト(67cm)! シーズンを問わずにこんな表層でこの魚を掛けたのはこれが初めての経験でした。
5月も半ばを過ぎ、表層水温が7℃を超えてきた頃がまさに彼らのベストシーズン! 荒食いのため大尻などのシャローエリアにワカサギを求めて大挙してやって来るというのが、私の中でのレイクトラウトのイメージでした。このため、表層水温がようやく5℃になるかならないかといった今の時期、大尻ならまだしも、水深が20mを優に超えるような地形が続く山側のこのポイントで、まさか彼らがこんな表層で餌を追い求めているなんてことは夢にも思っていませんでした。私の中でのレイクトラウトの誤ったイメージ(先入観や思い込み)を拭い去ったという意味で、今回のこの魚は大変に思い出深い一匹となりました。
〇 使用タックル
ロッド : TRBX-SS83SD インターボロンX(SMITH) リール : CERTATE 2500(DAIWA) ライン : FIRELINE EXT 0.8号(11lb) LO-VIS GREEN(BERKLEY) リーダー: TROUT SHOCK LEADER フロロカーボン 6lb(MORRIS) ルアー : トラウティンサージャー 6cm&8cm(SMITH) チェリーブラッドLL70S 7.7g(SMITH) フック : シュアーフック サクラマス2G(SMITH) ※ フックはバーブを潰してあります ネット : マリエット・ネット(SMITH)
5月後半のある日、私は阿寒湖の畔に立っていました。もちろん手にはロッドを携えて。つい数時間前、暴風雨の影響で別空港への着陸の可能性を知らせる機内アナウンスにうなだれていた事がまるで夢であったかのような光景がそこには広がっていました。吹いてくる風はとても穏やか、雨も小雨が時折降ってくるといった程度で とても暴風雨を感じさせるようなものではありませんでした。
日頃の行いに対するご褒美なのか、はたまた強力なパワースポットたる阿寒湖のなせるわざなのか! 何か強力な力に後押しされている様な感覚を覚えるなか2010年春の阿寒湖釣行がスタートしたのでした!
この日、最初に入ったポイントは阿寒湖西部に位置するあるポイントでした。本当は別のポイントに入りたかったのですが、すでにそこには見覚えのある先行者の姿がありました。 “生きる伝説の異名を持つ熱きフライマンさんです!” 彼の熱気にやられた魚たちはきっとしばらくは岸寄りしないはず、すでに探られた後であろう北側のエリア一帯は諦めて、同じくこの日入ってみたいと考えていたこちらのポイントに急遽船の進路を変更してもらった次第でした。 そこは足元のテラスの直ぐ先から傾斜のきついカケアガリが沖へと伸びてゆくといった地形で水深はおよそ10メートルといったところでしょうか。湖底にはそのいたる所に大きめの岩がゴロゴロと転がっているようで、ライン越しに伝わってくる感触はとても変化に富んでいました。きっと時期になれば多くの魚達が餌を求めてこの岸沿いを回遊などしているのではないでしょうか。駆け上がりマニアである私にとってはそこはまさに垂涎もののポイントといった感じでした。 この日最初に手にとったルアーはチェリーブラッドLL70S 。今年スミスさんから発売されたばかりのリップレスシンキングミノーになります(阿寒湖のレギュレーションによりシングルバーブレスの1フックに換装)。私は今回の阿寒湖釣行でこのルアーを使用するのを本当に楽しみにしていました。 それは春の阿寒湖を語る上でワカサギが決して欠かす事の出来ない存在だというのが理由でした。5 月を迎えた今、多くのワカサギたちが産卵に向け岸近くを意識し始めます。そしてこれに呼応するかたちで多くのトラウトたちもまた岸近くを意識し始めます。一昨年はアメマスとサクラマスがその主役でした。そして昨年はアメマスとヒメマスたちが、普段なら想像も出来ないくらいの浅瀬に多く集まり、私を含めた多くのアングラーたちを楽しませてくれました。まさにこんな状況の時にうってつけのルアー!それがチェリーブラッドLL70Sだと私は思っています。私のよく行く日光中禅寺湖。最初に手にした相手はヒメマスでしたが LL70S の実力はすでに実感していました。 でもその他の魚種に対してはどうなのだろうか? どんなアクションが効果的? リーリングのスピードは? カラーは?...etc. 雑誌ノースアングラーズの記事がきっかけで知るようになったリップレスシンキングミノーの魅力ですが、本格的に使用するようになったのはまだ一昨年前のこと、LL70Sに至ってはまだ半年といったところです。これまでスプーンを使った釣りが大半を占めていた私にとっては、リップレスシンキングミノーの高い潜在能力は実感しつつも、正直今でも分からない事だらけです。私の抱えるこれら多くの疑問はきっと阿寒湖が解消してくれるはず! そう信じて臨んだ今回の阿寒湖釣行なのでした。
(上写真) チェリーブラッド LL70S(ワカサギカラー)
ここは上述したような本来入りたかった浅瀬エリアとはまるっきり正反対のポイントでした。ワカサギの姿はまったく見えず、トラウトたちが岸寄りしているかどうかは分かりませんでした。ですがセオリー通りにLL70Sでまずは表層レンジから探って行きました。 キャスト後は数カウントの後にリーリングを開始。水面下20センチ程のレンジをノーアクションのただ巻きで探って行きました。ノーアクションのただ巻きといっても、LL70Sは滑らかなローリングアクションを見せてくれます。これは同じシルエットを持つシンキングミノージグのトラウティンサージャーとはまた質の異なったアクションであり、その引き抵抗(巻き抵抗)は少し大きなものに感じられました。 魚が居ないのか、それとも反応しないだけなのか、結局表層付近からは期待していた反応は得られませんでした。それならばと今度は別の探り方で反応を窺いました。それはこの地形ならではの探り方といっても良いと思うのですが、LL70Sの使い方としてはきっとマイナーな部類に属するものでしょう。キャスト後にLL70Sをベールフリーで一旦湖底まで沈めた後は、軽く1回ショートジャークを加えてそのままポーズ。魚からの反応を窺います。ここで何もなければ数メートルほどリーリングを行います。すると必然的にルアーは上方へと浮き上がってくるため、ここで再度フォールし直してからその後またリーリング...。あとはこれの繰り返しでした。本当にごく偶にですが、途中でジャークなどを加えてイレギュラーな動きを演出したりする時もありました。 ほど良くアピールしながらのゆっくりとしたフォーリング。さらに引けば直ぐに浮き上がるといったリップレスシンキングミノーならではの特性を活かして、傾斜のきついカケアガリを幾分バーチカル気味にギザギザといったイメージで探って行きました(阿寒湖に限らずに私はこの探り方をする場合には根掛かりを回避するためにシングル1フックに換装して使用するようにしています)。 このリップレスシンキングミノーを使ったディープレンジの釣りですが、私はシーズン初期或いは夏場日中の湖など、おそらく魚たちは水中の深い層で活動しているであろう時期にスプーンとのローテーションで多用しています。手返しの問題から、水深20メートルを超えるような深いポイントを探るのには正直躊躇ってしまいますが、水深はせいぜい10メートル程度といったこのポイントを探る分にはそれほど大きなストレスは感じませんでした。 (おっ...!) そしてその瞬間は突然にやってきました! ルアー着底後の1stアクション(ショートジャーク)でのバイト。待ち望んでいたアタリだったのでとても嬉しかったことを今でも良く覚えています。 障害物の多い湖底近くでのバイトであったため、相手が本当に魚であるかどうか半信半疑でした。ですが直ぐに首を振る感触が伝わってきたので安心しました。 (やっぱ 釣れるじゃん!) 今回の阿寒湖での初フィッシュ。それがLL70S を使って自身が意図した探り方で釣れたというのだから、これ以上に嬉しい事はありませんでした。阿寒湖の魚影の濃さに助けられた部分があるのは否定はしませんが、兎に角嬉しい一匹でした。このルアーで釣ってみたい! 或いはこの探り方で釣ってみたい!など、肝心の魚の都合はお構いなしに人間の都合だけで行動すると痛い目に遭うことがほとんどですが、今回は魚の都合とも合っていたらしくスプーンを交えた同様の探り方で良型揃いの多くのアメマスたちを手にする事が出来ました。
(上写真) 今回、阿寒湖での初フィッシュ(LL70Sにて)
(上写真) 着底後の1stアクション(ショートジャーク)で喰ってきました
暴風雨との予報により、一時はどうなるかと思っていた今回の阿寒湖釣行ですが、蓋を開けてみれば釣りが出来ないどころか近年稀に見る好釣果に恵まれ大満足のうちに初日の釣りを終える事が出来ました。 そしていよいよ明日からはこの時期の本命エリアを探って行きます。決して本命とは思っていなかったこのポイントでこの釣果なのですから、明日からの釣果はいやがうえにも期待が高まりました!
~ 釣行2日目 ~ 朝一の気温 5℃。風は北~北西の風強め。雨もそれなりに降っています。暴風雨のお天気マークは消えていましたが、今朝の方がむしろ雨風共に強いといった状況でした。 今日からはいよいよこの時期の大本命エリアを探ってゆきます。阿寒湖に訪れるようになってからまだ数年、こんな私がいかにも分かった風に本命エリアだなんて言うのは何ともおこがましい気もするのですが、この数年の阿寒湖で経験してきた事を思えばそう言いたくなっても仕方ないようなポイントなのでした。 朝一の表層水温は4.8℃。昨日午後に入ったポイントのそれが 7.5~8.0℃の間で推移していた事を考えると随分と低いと感じさせる水温でした。 これから探ってゆくポイントを目の前にして、昨年の記憶が蘇って来ました。天気といい湖面の状況といいあの時とまったく同じです。ただひとつ水温が低いという状況さえ除いたらのはなしですが...。この違いがはたしてどういった結果をもたらすのか?大本命エリアのひとつと考えていたここ大島での第一投目はまさに緊張の一瞬でした。
大島へ来てから凡そ3時間が経過していました。なんとか4 匹のアメマスを手にする事が出来ましたが、どうにも納得が行きません。どの場所からも複数匹の魚が釣れることはなく、大きく場所移動を繰り返してそこで1 匹釣れるかどうかといった程度でした。とても厳しい状況であると言わざるを得ません。目の前に広がる広大なシャローエリア。ここには魚がまったく差して来ていない!もうこう判断するしかありませんでした。期待していた水温上昇ですが、いまだ5℃前後と朝一と変わらない状態が続いていました。 ここは広い阿寒湖の中でも南東側に位置する大きな島になります。昨日今日の風向きではほとんど風下側に位置していた筈です。冷たい北西風に晒されて渡ってきた湖水が最初にコンタクトする様な場所だからなのでしょう、冷え切った水が絶えず供給されているようで、結局この後も水温が大きく上昇する事はありませんでした。水温があと数℃高ければ状況はきっと一変していたはず! 考えてみても仕方ない事だとは分かっていても、ついそんなことを考えてしまうのでした。この状況じゃどうしようもない!とこの後私は大島を諦め渡船でポイントを大きく移動する事に決めました。
(上写真) 今年の大島、かなり厳しいものがあります
続いて向かった先は阿寒湖北西エリアのとある一角でした。ここは私の考えていたもうひとつの本命エリアで、ここからかなり距離はありますが、昨日入ったポイントとも地続きとなっているため、状況によってはまた後で探ってみようとの腹積もりでした。 こちらでも早速水温を見てみると、7.5℃! 先ほど大島を発つ前に計ってきた水温と比べると2℃以上も高い値を示していました。さすが風上エリア! 期待が膨らみます。 ここは砂礫に拳大ほどの石が多く混ざる遠浅の地形で、昨年と一昨年もそうでしたが、多くのアメマスたちが正にひっきりなしといった具合に浅瀬に差して来ていたポイントでした。 今年だってきっと同じはず! 同じような景色の続くポイント一帯を LL70S & トラウティンサージャーの表層トレースで探って行きました。 先ほどの大島といい、こちらのポイントといい今年の阿寒湖は一体どうしてしまったんだろう? そんな疑問を抱かずにはいられない程の厳しさでした。 ここで昨夜、ホテルで出会ったフライマンさんとの会話が思い出されました。『昨日も今日もぜんぜんダメだった』、『アタリすら無かった』、『魚がまったく岸寄りしていない』。私はこの話を聞いた時、昼間にかなり良い釣りをしていただけに、正直なんと答えたらいいものかと一瞬言葉に詰まってしまいました。(魚が岸寄りしていないなんてこと無いと思うけどなぁ!) お互い入ったポイントも異なるし、何よりルアーとフライという釣り方の大きな違いがありました。彼が入ったというポイントなら日中はおそらく終始向かい風に悩まされていた筈です。ルアーならともかくもフライではきっと釣りを続けること自体が難しく、結果として釣果が伸び悩んだのだろうくらいにしか考えていませんでした。 (ほんとうに魚が岸寄りしていないよ...。) ここにきてやっとフライマンさんの話していた状況の本当の意味が分かりました。 今回の釣行に向けてこれまでずっと抱き続けてきた甘い考えがもろくも崩れ去った瞬間でした。 でもとても厳しいとはいえ、本州の湖と比べたらまだまだ信じられないような釣果が得られている事に変わりはありませんでした。何事も気持ちの持ちようで感じ方は変わってきます。(こんな状況の年もたまにはあるさ!) そう割り切ってしまえば、その中からでもきっと色々な楽しみ方が見えてくる筈だと!そう自分に言い聞かせて気持ちを盛り上げてゆきました。ですが頭ではそう分かっていても余りに期待が大きかっただけに、心と感情がその境地にたどり着くまでには今しばらくの時間が必要となりました。
(上写真) 春の阿寒湖でまさかこんなに歩く羽目になるとは...
こんな状況でも釣りを諦めないと決めたのならば、やるべき事はひとつだけ。 そうRUN&GUN あるのみです!待っていても魚たちは来てはくれませんから。 感覚的には、100 メートル釣り歩いて1 匹釣れるかどうかといった釣れ方でした。どのアメマスたちもルアーへのアタックの位置はとても遠く、魚の回遊が岸からとても離れたところで行われている事が窺えました。 より少しでも遠くを探るため、使用するルアーを LL70S → トラウティン サージャー 6cm → 同 8cm → バッハスペシャル 18g → メタルジグ 16g&22g と順次変えてゆきました。さらに沖へと張り出した水中岬など少しでも沖へと立ち込めるような場所があればそのぎりぎりまで歩を進めて常に遠投を心掛けました。決して楽な釣りではありませんでしたが、お昼近くにはこちらでの釣果を なんとか二桁にのせる事が出来たため、ここで一旦昼休憩をとる事にしました。 食後のコーヒーを飲みながら、ついさっきまでずっとRUN&GUNしてきた湖岸線を目で辿ってゆきました。まさか春の阿寒湖でこんなに歩く羽目になるとは...。昨年初冬の阿寒湖での釣りの記憶が蘇ってきました。
(上写真) 今年は魚が岸寄りしている様子が感じられません
午後からは昨日入った例のポイントに向かいました。昨日の良いイメージがあったため、こんな厳しい釣りなど続けずにさっさとポイント移動してしまおうかと何度も悩みました。でも自分の性格上、後になって探らなかったポイントの事が気になることは目に見えています。後で集中力を欠かさないためにも、可能性の残されたポイントはどうしても探っておきたかったのです。 こんな『いかにも』といったポイントですが、ここでは今日も私以外の釣り人の姿は誰も見えませんでした。その地形的特徴(背後の森が湖岸線ぎりぎりまで迫ってきています)に因るものなのでしょうか、特にフライマンの方はこのポイントを敬遠しているようで、今回に限らず私はこれまでに一度も他の釣り人の姿を目にした事がありませんでした。 これまで探ってきたエリアの状況があまりにも良くなかったため、ここへ向かってくる間も正直不安で一杯でした。ですが私のそんな不安を他所にここでは今日も良い反応が返ってきました。状況は昨日と大きく変わっていないらしく、沖合いのディープレンジでのヒットが頻発しました。 例年ならば決して大した事ではない釣果なのでしょうが、今年は他所のポイントがまったく揮わないだけに、それはある意味異常と言えるくらいの釣れ方でした。あとでこの状況を振り返ってみると、このポイントはその地形的特長(急深)から、岸寄り前のディープレンジにいるアメマスたちを効率的に狙える場所だったのではないだろうか。まさにそんな事を感じさせる釣れ方でした。 なぜ今のアメマスたちは去年みたいに沢山岸寄りしていないのか? 水温やベイトに絡めればいくらでももっともらしい理由を挙げる事が出来そうですが、(お前ごときが分かったような口を利くんじゃない!)とアメマスたちに怒られそうなので私の胸の中だけに留めておきたいと思います。 当日は似たような地形が数百メートルほど続くこのポイントに対して、ヘブン 16gとバッハスペシャル・ジャパンバージョン 18gを用いて沖のディープレンジを手返し良く探って行きました。そしてこれを一通りやり終えた後は、今度は折り返してLL70Sでナチュラルにそして時にはトリッキーな動きを交えながらもう一度探り直して行きました。これらを粘り強く繰り返し行った甲斐があってか、アメマスとしては阿寒湖での自己記録更新魚となる60越えの魚とさらに今年もまたイトウが顔を出してくれました。今年もやはり阿寒湖に来て良かったなと心の底から思いました。
(上写真) 自己記録更新となる春の黄金アメマス(62cm)
(上写真) LL70S を使ったディープレンジ攻略が功を奏しました
(上写真) 今年もイトウが顔を出してくれました(65cm ヘブン 16gにて)
~ 釣行3日目 ~ 前日の夜半から天気がさらに悪化してこの日は大荒れのお天気となりました。気温、水温は共に低下の一途をたどり本釣行で最も厳しい1日となりました。 折りしもこの日は私の誕生日!まったくもって何という運命なのでしょうか。 夜明け前、露天風呂から眺める空模様は明らかに今日のお天気が急速に 回復に向かって行く事を告げていました。6月も目前だというのに昨夜は 温泉街に霙が舞い降りました。“明日はもうだめだ” と完全に諦めムード であったのが一変、今は今日の釣りが楽しみで仕方ありません。朝風呂も ほどほどに、身支度を済ませ急ぎ水辺へと向かいました。
”せっかく阿寒に来たのだから、これだけは見ておかないと!”これまで ずっと厚い雲に覆われていた雄阿寒岳と雌阿寒岳でしたが、最終日である 今日になって初めてその姿を見せてくれました。昨日までの山頂は大荒れ だったらしく、その頂にはまっ白な雪が降り積もっていました。 朝一の気温は 5℃。ここ最近続いていた値と大差ありませんでしたが、 その陽射しの影響でずいぶんと暖かく感じられる朝でした。
(上写真) 最終日、天気が急速に回復してゆきました
”これはもしかすると もしかしちゃうんじゃないの!”一昨日前に味わった 惨敗の記憶も未だ新鮮でしたが、今のこの状況に一縷の望みを託し 私は あの大島に渡ることを決心しました。入りたかった北西の岩盤エリア でしたが、そこには既に先行者の姿があったため、西岸中央部のシャロー エリアに入ることにしました。風は北西風、フィッシングランド前の桟橋で 感じたものよりも随分と強い風が吹き付けていました。そして気になる 水温は 7.0℃! 昨日は本釣行での最低気温をマークしていただけに、 この水温は正直意外なものでした。今日の天気は晴れ、これから時間の経過 と共に水温はまだまだ上昇して行くはずです、しかもこのシャローエリア ならその上昇ペースも他所に比べていくらか速いはず、いやがうえにも期待が 高まりました!
(上写真) 再度、大島にチャレンジです!
ひととおりエリア手前を探りましたが、魚からの反応は一切ありません でした。でもそれはある意味予期していたもの、めげる気持ちなど微塵も ありません。いまだ大きな期待感を胸に次の行動へと移りました。 続いては、沖に向けぎっしり敷き詰められた大岩を渡ってディープウェーディングを試みます。一昨日はローライトな条件により足元が暗く危 険を感じたためここまで沖には辿り着けませんでした。 “よし、ここだったよな!” 目的の大岩になんとか辿り着けました。見覚えのあるその 大岩には誰かの足跡が刻まれており、今シーズン既に誰かがこの場所に立った事を伝えていました。 今私が目にしているものと同じ光景を見たであろうその釣り人は、いったいどんな事を考え釣りをしたのだろう? ついそんなことを考えてしま います。 過去に何度も探ったこのポイント、凡その地形は未だ頭の中に入っています。向かい風そして根掛かり対策のためトラウティンサージャー8cm を結んで釣りを開始しました。50 メートル先でも水深はぜいぜい 3メートルといったこのポイントに対して、まずは表~中層レンジのただ巻きで 反応を探って行きました。 『おおっ!』おそらく初めからそこに居た個体だったのでしょう、ポイントを探り始めてから直ぐに反応が返ってきまし た。かなり沖合いでのヒットでしたが、その独特の動きから 相手がアメマスであることは直ぐに判別がつきました。”やっぱ、今日は来てるよ!” まだ一匹目の魚を手にしただけでしたが、私の第 6 感がしきりにそう告げていました。 『おっ、また来た!!』 さすがに例年ほどの勢いはありませ んでしたが、今日は間違いなくアメマスたちが浅瀬に刺してきている! まさにそんな事が実感出来る釣れ方でした。やはり春の阿寒湖はこうでな くちゃいけません!
(上写真) 最 終日の大島、一昨日とはちょっと違いました! (トラウティンサージャーにて)
(上写真) これまでずっとモノトーンだった世界に色が溢れます
今のこの状況でも魚は完全には岸寄りしきれていないのか、この日 遥か沖合いでのヒットが大半を占めました。このエリアで釣りをされた経験 のある方ならばきっと共感してもらえると思うのですが、浅瀬のしかも遥か沖合いで掛けた魚とのやり取りは他では味わえない独特のものがあり ます。そこでは水深がない分、彼らの横方向への突っ込みはもう尋常ではありません。その走りを見ているだけでもうハラハラドキドキ! 60超 えのヒレピンレインボーなど掛けたひにはもう○○○○ちびりそうになります!(下品でスイマセンでした<(_ _)>) 水底に大岩がゴロゴロと転がるようなこのシャローエリア、もし相手に主導権を握られてしまうような事があれば、もうそこで一巻の終わりです。 相手をいかに素早く表層へと引き出せるか! これで勝敗が決してしまうことも少なくありません。でもいくら表層へ魚を引き出したいといっても水面でバシャバシャ暴れられたのでは、いくらなんでも釣り人の精神がもちません。できることなら浮かず潜らずの適当な位置で魚をコントロ ールしたいものです。そしていざ取り込みという段、沖に立ち込んでいる訳ですから、自分の周囲 360 度全てが魚とのやり取りの場となっている筈 です。そこでは魚の急な突っ込みや方向転換などは日常茶飯事、もし魚をばらしたくなければ、いつどんな状況に於いても常に一定以上のラインテ ンションを保っておかなければなりません。このようにシャローエリアで魚を手にするためには、ロッドには必然的に“魚を素早く水底から引き 出すためのパワー”、“魚をこちらの思い通りにコントロールするための粘り性能”さらには“魚の素早い動きにも追従できるしなやかさ” こ れら全ての性能がより高い次元で求められる事になります。今回もメインで使用したロッド “TRBX-SS83SD” これまでに最盛期の しかも60越えのアメマス、レインボーそしてサクラマス いろいろな魚種をこのシャローエリアで掛けてきましたが、上述したロッド性能の面で 不安を感じた事は一度もありません。数々のメモリアルフィッシュをもたらしてくれた信頼のロッドであるだけに、これから先もまだまだ長い付 き合いになりそうです。
(上写真) 水 温の上昇と共にアメマスの活性も上がりました
(上写真) これから初夏に向け、アメマスは益々強くなって行きます
久しぶりの太陽とそれに伴う水温上昇、さらにユスリカの大量ハッチも手伝ってか、この日の大島は私が期待し思い描いていた本来の姿とかな り近いものとなりました。昨日までずっと消化不良気味であったのが、ここにきてやっと救われたといった感じです。 しかしそんな大島も状況は刻々と変化してゆきました。おそらく高い位置から照りつける太陽を魚たちが嫌ったのでしょう、am10:00を前に突然 魚の気配が感じられなくなってしまいました。 正直、あともう少しだけ楽しませてもらいたかったという気持ちはありましたが、こればかりは仕方がないことでしょう。 まぁ、この時間を利用して釣りの余韻に浸るのもわるくはありません。せっかく目の前にはこんなに素晴らしい阿寒の大自然もあるのですから!
(上写真) 今日の陽気に誘われたのか、レインボーも岸寄りしてきました (トラウティンサージャーにて)
(上写真) パワースポット ヤイタイ島には多くの巡礼者の姿が...
〇 使用タックル
<タックル①> ロッド : TRBX-SS83SD (SMITH) リール : CERTATE 2500 (DAIWA) ライン : FIRELINE EXT 1.0号(16lb) LO-VIS GREEN (BERKLEY) リーダー: TROUT SHOCK LEADER フロロカーボン 8lb (MORRIS) ルアー : チェリーブラッド LL70S 7.7g (SMITH) トラウティンサージャー 14g (SMITH) バッハスペシャル・ジャパンバージョン 18g (SMITH) ピュア 7g、13g (SMITH) ヘブン 16g (SMITH) メタルジグ 16g、22g フック : シュアーフック サクラマス2G (SMITH) Wトラウトタテアイ7G (SMITH) カルティバ SBL-75M 6号 (OWNER) ※ バーブは潰してあります ネット : マリエット・ネット(SMITH)
<タックル②> ロッド : TRBX-SS78M (SMITH) リール : CERTATE 2500 (DAIWA) ライン : FIRELINE EXT 0.8号(11lb) LO-VIS GREEN (BERKLEY) リーダー: TROUT SHOCK LEADER フロロカーボン 6lb (MORRIS) ルアー : チェリーブラッド LL70S 7.7g (SMITH) トラウティンサージャー 6g (SMITH) フック : カルティバ SBL-75M 6号 (OWNER) シュアーフック Wトラウトタテアイ5G (SMITH) ※ バーブは潰してあります ネット : マリエット・ネット(SMITH)
2018年4月1日(日)、今年もついに待ちにまった中禅寺湖が解禁を迎えました。昨年の大雪とは打って変わってとても穏やかなお天気で幕を開けた今年の解禁日は、日の並びの良さも手伝ってか近年稀にみる多くの遊漁者さんで賑わったそうです。SNS上にはさっそく解禁日の様子がいくつもアップされており、良い思いをした人とそうでないひと。今年も水辺では沢山のドラマがあった事が窺えます。
自分にはいったいどんな魚たちとの出会いが待っているのだろうか? そんな思いに浸りながら私の釣行前夜はゆっくりと更けて行きました。
この日入ったポイントは沖にブレイクを控えた遠浅のシャローエリア。キャスティングで探れる範囲内での最大水深はせいぜい3m前後といったところで、ワカサギやヒメマスなどの餌を探しに沖から浅瀬に差してくる大型の個体を狙うイメージでここを選びました。そして昨年同様、今年もまず最初に結んだルアーはフローティングミノーのパニッシュ85Fでした。ふつう常識で考えたらこんな厳寒期にフローティングミノーという選択はちょっとあり得ないかも知れませんが、昨年も解禁直後の水がキンキンに冷え切った状況でも多くの魚たちを呼び寄せてくれたとても実績のあるアプローチであり、そしてルアーなのでもはや使う事には何の躊躇いもありませんでした。そしてこれをロッドを使って、トーン...、トーン... といった感じで幾分ゆっくりのテンポのジャークアクションで先ずは誘って行きました。
この日最初のアタリがやって来たのは、辺りがようやく白みはじめてきたam5:00を過ぎた頃でした。この時もそうでしたが上のようなアクションで誘っていると、やってくるアタリはジャーク後のストップの最中である事が殆んどです。ストップ後にゆっくりと浮上してくるパニッシュを相手がひったくってゆき、ラインがスーッと動くことでアタリを知る事が出来ます。ですがこの時にラインが余りにも弛んでしまっていると、このラインの動きをロッド(ティップ)で感知する事が出来ずに、せっかくやってきたアタリを見逃してしまう可能性が大きくなってしまいます。ロッドで感知出来ずとも目視でアワセればいいじゃないかという考えもあるかも知れませんが、朝一の暗い時間帯や波風の強い日などはそういった訳にもいかず、やはりロッドで感知する事がとても大事になってきます。ジャークで出来てしまったラインの弛みはリールを使って素早く回収、常に張らず緩めずの適度なラインテンションを保ってやる事でアタリの見逃しを防ぐ事が可能であると考えています。この時も暗がりでかつ波の上下動がかなりあり、ラインの動きを目視する事は出来ない状況でした。ですが適度なラインテンションを保っていたお陰でアタリを明確に感知する事ができ、反射的にアワセを加える事が出来ました。
記念すべき2018年のファーストフィッシュはレインボートラウトでした。 最初に来るのは当然レイクだろうと思っていたので予想外の相手でしたが、先ずは釣れた事にほっと一安心、これで気分が一気に楽になりました♡ その後は同様の探り方でブラウンとレイクトラウトを追加、ジャーク以外にもグリグリやただ巻きなどのアクションも試して見ましたが、残念ながらこちらにはアタリはありませんでした。
そして先ほどまでの濃厚だった気配も消え去り、朝一のピークもそろそろ終わりかなといったam7:00を過ぎた頃でした。それまでまったく見られなかった水面の捕食リングがキャスティングの範囲内でポツリポツリと発生して、俄かに場の雰囲気が変わりました。これはもしかしたらトップのワカサギがいけるかも!? 特にワカサギの姿が見えた訳ではありませんが、急ぎルアーを回収しこれを付け替えました。 この時選んだルアーはトップウォーターミノーであるCB70DRIFT TR(クリアーワカサギ)。これは水平浮きのペンシルミノーで、春の産卵時期に水面付近を瀕死の状態で泳いでいるワカサギを演出した釣りで最も威力を発揮するルアーになります。
このルアーの使い方は色々あり、キャスト後にラインの弛みを取ったら何もせずにただ浮かべておくだけの、いわゆるホットケの釣り(時折、小刻みにロッドを震わせたりしてルアーの存在をアピールするのも効果的です)が最も一般的かと思いますが、この時は特に大きな理由もなく単にその場の思い付きで、超々デッドスローのただ巻きで探って行きました。そして探り始めてから何回かこれを繰り返しているとき、ふと背後に人の気配を感じて少しだけリーリングする手が止まった矢先のことでした。突然目の前の水面が大きく割れたものだからとても驚きました。そして無事にネットにおさまった相手は73cmのレイクトラウトでした。このサイズがトップに出るさまはほんと迫力満点です!日本広しといえどもこんな光景が見られるのはこの湖をおいて他にはないのではないでしょうか。
今回は解禁して間もない厳寒期の中禅寺湖でミノーの釣りを楽しみました。そこでは表層水温が4℃台というキンキンに冷えた状況でも、魚たちはとてもアグレッシブに表層はもちろんトップのミノーにまで喰らいつき、昨年体験した出来事が単なる偶然ではなかったことを証明してくれました。ただ今年は昨年と比べて魚影がとても薄く、大型トラウトたちの接岸がまだ本格化していない様に感じました。これが単に接岸が遅れているだけならばそれは良いのですが、餌となるワカサギやヒメマスが居ないから接岸する意味がない、だから今後も寄らないよ!となるとそれは私のようなミノーマンにとっては大変な死活問題です! 今回は一匹も見ることの出来なかったワカサギ、これがただの偶然であることを心から願うばかりです。
〇使用タックル
ロッド : TLB-83DT ラグレスボロン(SMITH) リール : 13 CERTATE 2500(DAIWA) ライン : VARIVAS ハイグレードPE グリーン 1.0号(MORRIS) リーダー: TROUT SHOCK LEADER フロロカーボン 12LB(MORRIS) ルアー : パニッシュ85F(SMITH) ※ バーブは潰しています CB70DRIFT TR(SMITH) ※ バーブは潰しています スナップ: SPスナップ #2 強度21Kg(SMITH) ネット : チェリーネット Lサイズ 旧タイプ サクラ(SMITH)
夜明け前、東の空からは早くもオリオンが冬の星座たちを引き連れて駆けあがってくる季節になりました。日の出の時刻はずいぶんと遅くなり、季節は確実に夏から秋へと移り変わってきているようです。この季節のうつろいは水の中でも例外ではなく、つい先日の9月11日には、中禅寺湖に夏の終わりを告げる『菖蒲ヶ浜(地獄川河口)ひめます地曳き網漁』が行なわれ、婚姻色で体色を紅色に染めたヒメマスやホンマスが多数漁獲されたとのことです。
水中がにわかに活気づくこの季節、いよいよ7月から心待ちにしていた季節の到来です! 今回は、禁漁まで残すところあと2日という状況の中禅寺湖に、今シーズン最後の釣果を求めて出掛けてきました。
先日、全国各地に大きな被害をもたらした台風9号は、ここ中禅寺湖にも大きな爪跡を残してゆきました。9月17日のこの日、だいぶ水が引いたとはいえ、台風が去って10日程経った今でも、湖の水位は台風前と比べ、未だ40cmほど高い状態が続いていました。普段は水涸れた沢も、今でこそその勢いは大分衰えましたが、いまだ太い流れを保ったまま轟音と水しぶきをあげ湖に注ぎ込んでいました(森の保水能力とは凄いものです)。表層水温は台風による雨水と、この冷たい沢水の流入により、一気に3℃近くも低下し、さらに水色も大きく変化させてしまいました。湖岸には折れた木の枝や流木が多数打ち揚げられ、いつもポイントの目印にしていた大岩なども崩れてしまい、今はその所在も判らない状態です。台風による 雨、風、波の勢いが想像以上に凄まじかったことが窺えました。
(上写真) 増水により湖岸線はだいぶ後退してしまいました
(上写真) 冷たい(9℃)大量の沢水が湖に流れ込みます
am5:20、今日のポイントである寺ヶ崎(八丁出島)に到着しました。台風前(9月1日)の釣行で、この時期、岸からのキャスティングによる釣果としてはまずまずのサイズのブラウン(42cm)をあげ、さらに一昨日前(9月15日)の釣行では、手にする事は出来ませんでしたが目測50upの銀化ブラウン(ランディングに失敗、ネットの縁に触れるところまでいったのですが、その直後フックアウトしてしまいました)をヒットさせたポイントです。この9月1日の釣行では朝のうちだけですが、明らかにウグイとは異なるトラウトと思しきバイトを数多く感じ取ることが出来ました。 その日がたまたま良かっただけなのか、それとも季節が進み、魚の活性が上がった結果なのか、その本当のところは分かりかねますが、私の第六感が『間違いなく魚の活性が上がっている!』としきりに告げていました。 (これはイケる!!) 魚の活性もそうですが、人間(私)の活性もこれまでに無いくらいに上がりまくりました!!
(上写真) 中禅寺湖のブラウントラウト
(上写真) 湖底近くに居た痕跡がありました
今回 探るポイントは、寺ヶ崎(八丁出島)先端東側の一帯で、岸から直ぐに20~30メートルへと落ち込む急深なかけあがりが続くポイントです。 国土地理院 地図閲覧サービス(試験公開)参照 このポイントを、上で述べた2匹のブラウンがそうであった様に、ボトム・レンジを強く意識しながら探ってゆきました。 先日、このボトムを強く意識するきっかけとなった出来事がありました。それは9月1日に手にする事ができた上写真のブラウンです。そのブラウンの腹ビレは泥の付着により多少黒ずんでおり、さらに腹部には寄生虫(?)と思われる見慣れぬ生物が2~3匹付着していました。 『ひぇっっ!!!』 これらが突然動き出したものだから、手にしていたブラウンを思わず放り出してしまいました(汗)。 ※ 後日調べたらこれはチョウ(別名 ウオジラミ)と呼ばれる甲殻類の寄生虫でした。 その姿かたちと大きさは、まさにコンタクトレンズと表現するのがぴったりで、体色は透明感のある薄みどり色。ボトムを引いてくるとたびたびフックに引っ掛かってくる底石に付いたアオコや水草の色に酷似していました。その体色から想像するに、この生物たちは普段はアオコや水草などの中に潜んでおり、宿主となる魚が現れるとコバンザメの様にこれに取り付き、魚の体液を吸うなどして栄養を得ているのではないでしょうか。この想像が正しいとすると、腹ビレに泥が付着していた事とも合わせて、このブラウンは湖底近くで生活していたと考えるのがごく自然であるように思われます。
そしていざ実釣です。この日もそうですが、私はボトムレンジを探る際、いつも以下に述べる探り方を実行しています。ルアーをキャストした後はベールを起こしてラインをフリーにした状態でまずはボトムまでルアーを落とし込みます。ルアーが着底したことを確認した後は、直ぐにラインを巻き取ることはせず、最低でもルアーを沈めるのに要した時間と同じだけの時間をかけ、ラインもまた沈めてやります。この際、少しでもラインの沈みをスムースにしてやるために、ロッドティップを煽るなどして、水面に浮かんだラインを全て水中に浸けてやる作業を行います。使用しているラインの種類(ナイロン、フロロ、PE…)と太さ、ルアーウエイトや形状、そしてリーリングスピード等の違いで、その程度に違いがあるとは思いますが、ルアーはリーリングすると同時に確実に浮き上がってきてしまいます。私はこのルアーの浮き上がりに対して、ラインが寄与する割合はかなり大きなものであると実感しています。 ラインを沈めない場合、すなわちルアーが着底した直後の状態ですが、ラインは沖に向かって弧を描く様な感じで張り出し、手前のラインの大半は水面、あるいは表層近くに漂っています。この状態でラインを巻き取ってしまうと、ラインの浮力とラインが水から受ける抵抗などにより、ルアーは上方へと引っ張られ、直ぐに浮き上がってきてしまう筈です。一 方、ラインを沈めてやった場合は、ラインは究極的には、かけあがりの傾斜に沿うような形で下に弧を描く筈で、ラインを沈めなかった場合と比べると、ルアーを上方へと引き上げる力が格段に弱くなり、浮き上がりはかなり抑えられる事になる筈です。このため、今回のようにボトムを舐めるようにルアーをトレースしたい場合、ラインを沈めてやる作業が必要不可欠であると私は考えています。 自分がどれだけ正確にボトムをトレースすることが出来ているのか、ルアーがボトムからどれほど浮かび上がってきてしまっているのか確認する意味でも、時折リーリングするのを止め、ルアーが着底するまでの時間をカウントしてみたりもします。直ぐに着底する様であれば、きちんとボトムをトレース出来ていた事になりますし、着底までに時間を要する様であれば、ルアーはその時間に応じた分だけ浮かび上がってきてしまっているという事になります。 この探り方で、こまめに場所移動も繰り返しながらポイントを広く探ってゆきました。すると湖底から2,3メートル上と思われる層をトレースしていた時です、なんの前触れもなく竿先に急に負荷を感じました。水草かも知れませんが、躊躇うことなくアワセを試みました。すると直ぐにググッ!と間違えるはずもない魚の生命反応が伝わってきました。その感触からしてどうやら今回はブラウンではなさそうです。相手は沖に向かって一気に走って行きました。(ジィィージィーッ...!!!) 相手が一度走り出してしまうとドラグが鳴り止みません。あまり長くやりとりしていると、すぐにもバレてしまいそうなので仕方なく幾分強引に表層まで引き出しました。すると20メートルほど先で1回大きくジャンプ! 慌てて竿を寝かしジャンプさせない様に仕向けますが、その後も激しいジャンプを繰り返し、必死にルアーを外そうと抵抗を続けました。『ナイスファイト!』 あまりにもよくジャンプする魚であったため、途中何度もバラシが頭を過ぎりましたが、なんとか無事にネットインすることが出来ました。 相手は銀色に輝くきめ細かな鱗を持つ、美麗なレインボートラウト(43cm)でした。その引きの強さから、もうひとまわり大きな個体を想像していたのですが鰭がしっかりしており直ぐに合点がいきました。彼はそうとうに疲れたようで、大きく肩で息をしていました(ほんとおつかれさま)。
(上写真) 中禅寺湖のレインボートラウト
(上写真) 鱗がとてもきめ細やかな個体でした
(上写真) この日 2匹目となるレインボートラウト(41cm)
(上写真) 今回使用したルアーたち
『夏場といえどもトローリングで釣れているのだから、岸からでも釣れるでしょう!』という安易な考えから始まった夏の中禅寺湖通いも今回の釣行でようやく一段落つくこととなりました。 岸から釣るにはどうしたらよいかと、最後の悪あがきとも取れるような作業(湖底図や水温・気温の情報収集)からまず始まり、ポイントまで恐怖と戦いながらの夜間行軍、そしてアブとの激闘などもありました。さらには嬉しい想定外のホンマス釣果に歓喜したことや、目の前で大物をバラし暫く体の震えが止まらなかった事などもありました。今思い出してもその時の記憶が鮮明に蘇ってくるものばかりです。およそ3ヵ月という短い期間でしたが、中禅寺湖には本当に楽しませてもらいました。この中禅寺湖というすばらしいフィールドがこれから先も私たち釣り人を変わらずに迎え入れてくれることを心から願うばかりです。ほんとありがとうございました!
(上写真) 水の中もまもなく秋本番を迎えます(婚姻色?)
(上写真) この景色とも来春までしばしのお別れです
〇 使用タックル
ロッド : トラウトロッド 7.6ft リール : TWINPOWER 2500 (SHIMANO) ライン : SUPER TROUT Advance 6lb (MORRIS) ルアー : バッハスペシャル・ジャパンバージョン 18g (SMITH) ※ ブラウンはGBKOカラーにてヒット PURE 13g (SMITH) ※ レインボーはシルバーカラーにてヒット フック : シュアーフック サクラマス 2G (SMITH) ネット : マリエット・ネット (SMITH)
昨日の朝にバラした良型ブラウンの事がどうしても忘れられず、今朝も3時間だけ様子を見てきました。GW最初の日曜日とあって、駐車場はいつも以上のお祭り騒ぎ!人の出入りが多いとの予想から、昨日入ったポイントは諦めて別のポイントを目指しました(ひとりくらいは居るかと思ったのですが、誰も居ませんでした)。
昨日同様に周囲が少し明るくなってきたところで、パニッシュ70Fのホットケ(時折シェイク)を試しました。すると程なく水面が割れるスプラッシュ音! フッキングも決まりましたが、次のジャンプであえなくオートリリース。あの引きはおそらく本命に間違いないでしょう。暗がりの中、今日も天を仰ぎましたorz ...。 そしてam5:00前。突如、ヒメ或いはホンマスと思しき複数のモジリが移動しながら目の前を横切って行きました。でも手持ちのTRサージャー6gでは到底届かない距離。ヘビーウェイトスプーンは岸のバッグの中だし、取りに行く時間ももったいない。そこでものは試しと手元にあったメタルミノーEXを取り出し、振り子キャストで大遠投を試みました(あろうことかフロントフック仕様で)! そして着水と同時に高速リーリングをスタート。途中ピタッと巻くのを止め、フォールを挟んだ後に再度リーリングを開始した矢先にそれは起こりました。 『ズドン!』 目の覚めるような明確なバイト、リールハンドルの動きが完全に止められました。50m以上の遠方表層でのヒット、これほど気持ちの良い瞬間はありませんでした! (でもなんだかオカシイ...!?) 想像していた魚種・サイズの引きとは明らかに異なります!一度走り出してしまうと、相手の動きをまったく止める事が出来ません。ここは50m沖でも水深はせいぜい3~4mといった遠浅のシャローエリア。大岩がゴロゴロと沈んでおり、PEラインに当たりでもしたらひとたまりもありません。やりたくはありませんでしたが、両腕を大きく上げ魚を上へ上へと誘導して行きました。 寄せて走られを3回も繰り返しました。相手とのやり取りはおそらく5分以上続いたのではないでしょうか(体感的には10分以上)。最近ずっと負け癖・バラシ癖が付いてしまっていることから、今回も自信を持ってバラス気満々でした(汗)。ですがなんとか無事にネットイン成功! そのあまりの引きの強さから自己記録更新は間違いないな!と思っていたのですが、思いのほかのびませんでした。でも2016年中禅寺湖での初フィッシュということならこれはもう上出来でしょう! 遅ればせながら、私も中禅寺湖解禁しました(*'▽')/
(上写真)土曜日のようす。朝一のミノーイングで2回連続バラシ。かなりヤバい精神状態でしたorz...。
(上写真)こちらも土曜日のようす。昼前の表層水温は8℃
(上写真)OHGIさん、EJIMAさんからの直伝だという、ジェットBOILの使い方を熱く語ります
(上写真)私はBIGを頂きました!
(上写真)土曜日のようす。山側奥でもワカサギを見つける事が出来ました
(上写真)土曜日の反省会のようす(香楽にて)
(上写真)中禅寺湖のレイクトラウト(77cm)。メタルミノーEX の表層高速巻きにて。ヒメ、ホンを狙っていた筈が...、これがいわゆるヒメ、ホンを追い回している個体というやつなのでしょうか。実際はどうであれ、そう考えると何か興奮してきますね
(上写真)メタルミノーEXによる釣果。私が考える本来の使い方とは違いましたが、こんな事もあるんですね
(上写真)とても綺麗な個体でした
(上写真)いずれ飛行能力も身につけるのではないかという立派な胸鰭です
(上写真)大きな各鰭。レイクトラウトの大きな魅力のひとつですね
(上写真)愛すべきアブラびれを持つ魚
(上写真)深く切れ込んだ大きな尾鰭
訪れるようになり今年で二年目を迎えた朱鞠内湖に秋イトウを求めて出掛けてきました。今回は昨年とは探る場所を大きく変えて、ボサ(冠水したヤナギの木)や切り株などが多く点在するシャローエリアを中心にランガンで探って行きました。 春とは違い岸際にはウグイやワカサギなど餌となる小魚の姿はまったく見えません。はたしてこのエリア選択で本当によかったのだろうか?
と最初は不安で仕方ありませんでしたが、一匹目を手にしてからは自信を持って探り続けることが出来ました。今回は沖の切り株周りなどをチェリーブラッドSR90でトレース(ただ巻き)する探り方と、所々に点在する小さなワンド(ワンドと呼ぶのは憚れるくらいのほんと小さな規模のものです)をDDパニッシュ80Fでボトムトレースするやり方でイトウを手にする事が出来ました。
朱鞠内湖では遊漁規則でシングルバーブレスフックの使用が義務付けられています(※) ※ 朱鞠内湖 フィッシング 公式WEBサイトを参照
【使用タックル】 ⚫︎ロッド : インターボロンXX IBXX-77MSD (SMITH) ⚫︎リール : 13 セルテート2500 (DAIWA) ⚫︎ライン : バリバス ハイグレードPE 1.2号 (MORRIS) ⚫︎リーダー : バリバス トラウトショックリーダー フロロカーボン 16lb (MORRIS) ⚫︎ルアー : ・チェリーブラッドSR90 (SMITH) ・チェリーブラッドSR90 type2 プロト(SMITH) ・DDパニッシュ80F (SMITH) ・パニッシュ85F (SMITH) ・ミスティSP&スーパーミスティS(SMITH) ⚫︎スナップ : SPスナップ #2 (SMTH) ⚫︎フック : S-75M #1 (OWNER) ※ バーブは潰しました ⚫︎ネット : チェリーネット Lサイズ サクラ (SMITH)
(上写真) 前浜にある漁協管理事務所で渡船の時刻を待ちます
(上写真) この日の渡船開始時刻はam5:30過ぎでした
(上写真) ここしばらくの間、誰も入っていないというポイントに入りました
(上写真) パニッシュ85F(No.23 クレイジーヤマメ)にでたイトウ
(上写真) 本釣行での最大サイズ 78cm となりました
(上写真) こんな景色が続く中をランガンして行きました
(上写真) 朝から濃い霧が立ち込めます
(上写真) 沖の切り株周りで出たイトウ(77cm)
(上写真) チェリーブラッドSR90(No.15 ワカサギ)のただ巻きにて
(上写真) こんなちょっとしたワンドの中からも反応がありました
(上写真) DDパニッシュ80F(No.23 クレイジーヤマメ)のボトムトレースにでたイトウ(73cm)
(上写真) こちらは沖の切り株周りで出たイトウ(75cm)。今秋は餌となるワカサギの数が少ないそうで、その影響からなのか痩せた個体が目立ちました。
(上写真) チェリーブラッドSR90(No.06 グリーンゴールド)のただ巻きで
(上写真) こちらも沖の切り株周りで出たイトウ(75cm)
(上写真) 今回の釣行で一番よく引いてくれた個体でした
(上写真) チェリーブラッドSR90(No.15 ワカサギ)のただ巻きで
(上写真) 先の尖った綺麗な尾鰭でした
(上写真) 日中の表層水温は13℃前後で推移していました
(上写真) こちらも沖の切り株周りで出たイトウ(75cm)。チェリーブラッドSR90(No.15 ワカサギ)のただ巻きにて
(上写真) 大きなワンドに辿り着きました
(上写真) 先に進むためにはこんな斜面を通らなければなりません。この先にはきっと楽園があると信じて進みます。
(上写真) 濡れているのでよく滑ります(汗)
(上写真) 楽園の筈がこのサイズ...(涙) 。 DDパニッシュ80F(No.23 クレイジーヤマメ)にて
(上写真) 移動の際など頻繁に電子ホイッスルを鳴らしていました。前日には別ポイントで熊を目撃していたため気が休まりません。
(上写真) こちらも小振りなイトウ(65cm)。チェリーブラッドSR90(No.06 グリーンゴールド)のただ巻きにて
(上写真) 帰りの船上から見る朱鞠内湖の夕焼け